今年もつるし柿を作ります

今年も柿の季節になりました。龍谷大学農学部食料農業システム学科では、実習農場のある牧地区の柿の木を使わせていただいて、伝統的なつるし柿作りに挑戦しています。2017年11月22日、食料農業システム学科の1回生2人が実習農場脇の柿を取りに行きました。

今年は去年と比べて数は少なかったのですが、その分大きくて立派な実が採れました。今年もバランサオが大活躍でした。
今年も真光寺の東郷さんから柿のとり方、処理を教わります


学生が手にしている竹製の道具がバランサオです

思っていたより実が熟していたので、早速柿を剥いて吊るすことにしました。11月24日、食料農業システム学科の1回生と3回生を中心に、去年の様子を思い出しながらの作業となりました。



3回生から1回生へ、技の伝承?




牧地区では、一昨年まで婦人会で毎年約4000個もの干し柿を作っていて、一部は料亭にも納められるなど評判でした。今年はどれだけその名人芸に近づけるでしょうか?(山口、淡路、落合、坂梨)


木津高校園芸科の生徒さんたちの訪問を受けました

1021日(土)に、京都府立木津高等学校園芸科の1年生3人、2年生1人、3年生1人と那波先生が樋口研究室に来られました。この生徒さんたちは、JSTが実施する「中高生の科学研究実践活動推進プログラム」の支援のもと、那波先生の指導で研究活動を実施しており、樋口がそのアドバイザーをつとめています。

昆虫の行動観察やデータ処理について意見交換をしたあと、農学部の温室や研究施設を案内しました。カメムシの飼育試験に来ていた3年生から、研究について説明をしてもらいました。また、ウェンダコーン先生の研究室も訪問し、青果物の香りについての説明を受けるとともに、実験装置も見せていただきました。

このような機会に、本学部に関心を持ってくれる生徒さんが増えることを期待しています。


photo & text: Hiroya Higuchi

青果物流通の現場について学びました

2017年11月20日、食料農業システム学科2回生以降配当の「食料流通システム論」にて、瀬田キャンパスのお隣にある大津市公設地方卸売市場から外部講師の先生をお招きして青果物の卸売市場流通についてご講演いただきました。

滋賀びわ湖青果株式会社取締役営業本部長(果実部長兼任)の中井先生は、農学部開設以来食の循環実習でも卸売市場のお仕事についてお話しいただいていて、学生にもすっかりおなじみの顔になりつつあります。

ご講演では、量販店との取引の流れや先月2度襲来した台風の産地・流通への影響など、食の循環実習の時には聞くことのできなかった具体的な現場のお話をたっぷりと伺うことができました。

卸売業者は全国の生産情報にアンテナを張っていて、さまざまな農作物の生産技術にも精通しておられます。講義ではリンゴの受粉に使うマメコバチの生態までお話しいただき、学生も興味津々といった様子でした。



学生の感想をいくつか紹介します:「(ふだんスーパーでアルバイトしているが、)今日の話を聞き、自分の店にある野菜や果物がどのように仕入れられ、値段が決められて店頭に並んでいるのか、曜日ごとに変わるセールなどはいつ値段を決めているのか、それらのことがわかった」「私たちの手に作物が届くまでには多くの人の目が注がれているのだなと思った」「実際に大津の公設市場に行ってみたい」

講義の最後には、公設市場の管理事務所からお越しいただいた大津市産業観光部の徳永さんに「市場の朝市」イベントを紹介いただくなど、とても盛りだくさんの90分でした。(山口)


ロンドンの植物園を訪れました

ロンドンと聞くと、バッキンガム宮殿やウェストミンスター寺院といった古めかしい建築物を思い浮かべる人が多いでしょう。一方で、ハイド・パークをはじめとする公園や庭園、その規模の大きさもよく知られているところです。私が夏休みに訪れたキュー王立植物園(Kew Gardens)もそのひとつです。上に挙げた名所があるエリアから南西に外れ、地下鉄キューガーデン駅から住宅街を少し歩いた場所にあります。世界最大級の植物園ですが、もとはその名の通り18世紀に造られた庭園でした。そのあたりの時代を研究している関係で立ち寄ったものの、当時から残されている中国風パゴダなど、写真に撮りたかった建築物の多くが外装工事中という不運に見舞われました。古きよきものを大事にするイギリスではよくあることですね。さて、植物園と言われると文系研究者には敷居が高く感じられますが、実際に入ってみると、青々とした芝生が敷かれた、とてつもなく広い公園でした。しっかり見てまわるには1日では足りないくらいです。下の写真のように、色とりどりの花壇や畑、温室などの建物が点在していて、なんと日本庭園もあります。カフェやギフトショップ、子供向けアトラクションまであり、研究施設であることを忘れるほどで、とくに家族連れが多く見られました。世界各地から集められた4万種以上の植物たちに出会える贅沢さ(リスもあちこちにいます)、またイギリス特有のさわやかな夏に園内を散策する心地よさは格別です。植物好きの学生さんは(英語の勉強をしてから)一度訪れてみてはいかがでしょう。
photo & text: Ikuko Sasaki






The Most Read Publication

学術雑誌に発表された論文は、さまざまな方法で評価されます。自然科学系で広く知られている評価基準に、Impact Factor(IF)があります。「IFの高い雑誌に掲載された論文が価値のある論文である」と著者は思いたいのですが、IFは雑誌の評価点であって個々の論文の評価点ではありません。そのため、IFの取り扱いには様々な批判もあります。他方、世界中で毎年多数発表される学術論文をビッグデータとして扱うことで、思いがけない分析も可能になります。10月初めに、ResearchGateから "Your article was the most read publication from your institution" の知らせが舞い込みました。該当の論文は、2008年に発表した「カーネーション切り花の収穫後生理学」についての16ページの総説です。Fresh Produce という極マイナーな専門誌に掲載されました。この論文が2014年にResearchGateを介してアクセスできるようになり、その後の3年弱の間に856回のアクセスがありました。残念ながら "your institution" 龍谷大学ではなく、前任校の京都府立大学です。数年後には、農学部から "the most read publication from Ryukoku University" が出ることを期待したいと思います。
text: Shigeru Satoh

おだしやさんでフィールドワークをおこないました

2017年11月1日、落合ゼミの全員参加型フィールドワークを、京都市のおだし専門店「うね乃本店」でおこないました。これは、京都の食文化をささえる企業の実践について、また、おだしそのものについて、現場で学ぶためのこころみです。

前半では、采野元英社長が、おだしをテイスティングするワークショップを開催してくださいました。ゼミ生は説明を聞きながら、素材のちがいや組み合わせのちがいを注意深く味わっていました。後半では、工場に移動し、鰹節を削る装置や作業のようすをみせていただきました。

ゼミ生全員にとって、おだしを通して京都の食文化を学ぶ貴重な機会となりました。采野社長をはじめ、うね乃本店のみなさま、工場のみなさま、ご協力をありがとうございました。(落合)










愛東の大秋穫祭に参加しました

10月28日、29日、東近江市愛東の「大秋穫祭」に、淡路ゼミを中心とする学生のべ12人が参加しました。心配された台風直撃は避けられましたが、雨天のなかのイベント開催となりました。

28日は、「ジェラート祭り」のアシスタントとしてステージイベントを盛り上げました。ジェラートの早食い競争や味当てクイズ、ビンゴゲームで、学生たちは受付や参加者の誘導、計測・記録など忙しく動き回っていました。

29日は、バザーに参加し、焼きおにぎりとサツマイモのスープを販売しました。これらは、前日に「あいとうマーガレットステーション」のレシピにもとづいて学生たちが作ったものです。美味しく仕上がっており、好評でした。

今年は、メロン祭り、梨祭り、ぶどう祭り、大秋穫祭と、大きなイベントにはすべて参加しました。生産者や直売所の方々と一緒にイベントを運営する形が定着した感じです。「来年もお願いします!」とかけて頂いた言葉をしっかりと受けとめたいと思います。(淡路)

ジェラートの早食い競争のお手伝い
サツマイモスープの販売


「環境こだわり米」について研究発表を行いました

10月27~29日の3日間、高知大学にて地域農林経済学会の大会が開催されました。
この大会で、食料農業システム学科の山口講師が「滋賀県『環境こだわり米』の消費者評価」と題する研究発表を行いました(山陽学園大学の西村講師および当学科の竹歳との共同発表)。

この研究は、滋賀県と共同で実施したアンケート調査に基づき、滋賀県が認定する「環境こだわり米」について、その認定条件である「濁水対策」と「減農薬・減化学肥料」それぞれに、消費者がどれくらいの金額の評価をするのかを計測したものです。
「選択型コンジョイント分析」という仮想的選択実験による方法を用いて計測した結果、「環境こだわり米」に対する消費者の高い評価額が認められました。これについて、大会参加者との間で活発な質疑応答がありました。(竹歳)