地域文化と企業活動についての公開講義をおこないました

2017年10月26日、農学部講義「比較地域文化論」において京都市ソーシャルイノベーション研究所SILKと食料農業システム学科によるコラボ企画「地域文化と企業活動」を開催しました。

これは、食文化や染織文化をささえる京都市の企業の実践を通して、ソーシャルビジネスのしくみや働きがいについて学ぼうという講義です。

SILKの山中はるなコーディネターのごあいさつのあと、
Dari Kから木澤徹さん、
坂ノ途中から松田明日香さん、
IKEUCHI ORGANICから益田晴子さん
それぞれの企業の理念やとりくみ、社員としてのかかわりなどについて映像や資料をまじえながらご講演いただきました。

受講者はいつにも増して集中して内容を聞き取り、感想や疑問をリアクションシートにびっしりと書き込んでいました。

SILKのみなさん、講師の先生方、ご協力ありがとうございました。(落合)









北の大地で秋の実りを視察

9月下旬に北海道を訪ねました.夕張から芽室にかけての広大な畑作地帯を資源生物科学科の米森先生と玉井先生といっしょに視察しました.これまでにも何度か訪ねたことがある地域ですが,今回はかなり特徴ある生産者の方々を,本学「食と農の総合研究所」客員研究員の福嶋先生に紹介して頂きました.平飼いの卵生産者,タマネギ,ネギの若手農業者,ブロッコリーとトウモロコシの大農場を指揮する社長さんなど,多様な農業生産を視察し,いろいろなお話をうかがうことができました.ブロッコリーの会社では,学生の農業体験やインターンシップを引き受けて下さるとのことです.ちなみに,平飼いの生卵と取り立てのトウモロコシの甘みは最高でした.
平飼い(ケージでなく広い場所で飼育)の鶏の産みたての卵です.黄身の弾力は箸で持ちあげられるほどでした.

広大なブロッコリー畑で手刈り収穫してトラックに積み込み,選果場で手早く選果後,すぐに氷漬けにして出荷し,3日目には関西の店頭に並びます.

ナガイモ畑.整然と棚が並び,その生育はとても旺盛でした.収穫はユンボで畝の中央に穴を掘った後,一本一本を手で掘り上げます.

タマネギは収穫期を迎えていました.スチールコンテナ(鉄コンと称します)に詰めて出荷します.1トン強が入ります.
photo & text: Hiroyuki Daimon (Tesshu Tamai & Keizo Yonemori)

守山市の広報誌に活動が掲載されました

食料農業システム学科の学生有志で構成される「びわっこ」メンバーは、滋賀県守山市の開発(かいほつ)営農組合やJAおうみ冨士の皆さんともに農作物をつくったり、定期的に各種イベントの手伝いをしたりしています。このたび、守山市の広報誌(「広報もりやま」10月1日号、4~5頁)に活動が掲載されましたので紹介します。

 http://www.city.moriyama.lg.jp/kohomoriyama/koho_29/1001.html


また、11月3日のびわ湖放送「守山ニュース」にて、18時45分より開発営農組合の方々と映る予定です(5分の放映のなかで少し)。
今後もメンバーの活躍にご期待ください。(坂梨)

滋賀県湖南市の「エンサイ栽培」農家を見学しました

929日(金)に、資源生物科学科の佐藤茂、ウェンダコーンS.K.講師が、6名の3年生と一緒に、滋賀県湖南市吉永のエンサイ栽培農家の畑を見学しお話をうかがいました。この見学は、後期から始まった「総合演習I」の実習として行いました。エンサイ(空心菜、ヨウサイともいう)は東南アジアで広く栽培されている緑葉野菜です。夏季の高温化によって年々栽培が難しくなっているホウレンソウに代わる緑葉野菜として注目され、栽培が増えています。

龍谷大学は、今年度から平成31年までの予定で、滋賀県湖南市との「産学官連携地域特産品開発検討業務受託」事業を開始しました。この事業の一環として、湖南市でのエンサイ栽培の普及と消費の拡大を計画しています。栽培の基礎研究は、4年生の特別研究の課題として実施します。今年度から農学部の温室周りで栽培試験を始めましたが、来年度から湖南市営の未来公園湖南「ここぴあ」での栽培展示と試食会などの普及活動を行う予定です。

すでに湖南市では、二戸の農家がエンサイ栽培に取り組んでいます。今回は、そのうちの一戸の農家を見学しました。現在の栽培面積は5アール、7月~9月が収穫期で、この期間に一株から4回収穫します。収穫は全草を刈り取った後、先端部分を30cmに調整し、200gずつ包装して、「ここぴあ」での産直とJAを介して県外に出荷しています。

パクチーやハーブ、トウガラシ、様々な葉菜類の栽培畑も見せていただきました。これらの野菜は、4~5種を組み合わせてサラダ用の調製品として販売しています。他にも、珍しい野菜や果菜類を見せていただきました(最後の写真は高知県で育種された「万次郎かぼちゃ」)。



photo & text: Shigeru Satoh

日本遺伝学会市民公開講座で講演を行いました。(中村千春)

 9月16日開催の日本遺伝学会市民公開講座で、中村千春教授が「遺伝の法則に導いた変わりもの」と題した講演をしました。内容は以下のとおりです。
メンデルの論文「植物雑種の実験」が発表されてから151年が経ちました。オーストリア帝国モラビアの農村ハイツェンドルフに小作農の子として生まれ育ったメンデルは、苦学の青年期を経て、ブルノの聖トーマス大修道院の修道士・司祭となりました。ナップ院長をはじめ、メンデルの才能を愛でた多くの人々の理解と支援を得て、ひそやかに、しかし確固とした目標と信念をもって始めた10年に及ぶエンドウマメの交配実験が遺伝学の扉を開きました。メンデル遺伝学は「子孫に伝わるのは形質ではなく形質を支配する遺伝子である」ことを私たちに教えてくれますが、この大発見に導いたのはエンドウマメの「かわりものたち」でした。幾多の論争を経て、メンデルの名は遺伝法則とともに不滅の栄光をもって科学史に刻まれました。講演では、メンデルの成し遂げた仕事と、人間・自然・生き物を愛したその人となりを、メンデルが生きた時代背景とともに振り返って見ます。


ドイツのBio農業

9月の初めにドイツのベルリンとミュンヘンを訪ねてきました.ドイツでは,ソーラー発電や風力発電などの自然エネルギーの利用を進め,農業生産では有機農法・自然農法(Bio:ビオ農業)へのシフトを試みてずいぶんと時が経っています.実際のBio農業の比率は不明な点も多いですが,各大学の農学部には必ず有機農業研究室があり,消費者の「Bio」に対する期待は大きいようです.街なかのスーパーにも「Bio」マークの入った商品がたくさん並んでいます.今回,多くの圃場を見ましたが,ちょうどトウモロコシの収穫期で,多くはバイオエタノール用ということでした.バイオディーゼル用のアブラナも黄色い花をきれいに咲かせていました.また,ヨーロッパの改良三圃式農業(ジャガイモームギ類ーマメ類)の輪作体系がみられ,窒素固定するアルファルファやクローバなどのマメ科牧草も多く見られました.アルファルファの紫色の花はなかなか可憐です.日本でも有機農業に対する消費者の要望が大きくなってきたと言われ,研究者の間でもずいぶんと意識されるようになっていると感じています.私たちもその基盤となる研究を進めています.ちなみに,ビールは安くてとても美味しかったですよ.
ミュンヘンの公園の出店で売られていたBio野菜たち(少量多品目で値段は少々高め)

ベルリンのBio専門のマーケットで販売されていたBio穀類たち(Bioのロゴが目立ちます)

ミュンヘンのマリエン広場では,からくり時計に多くの観光客が歓声をあげていました(私もその一人です)
photo & text: Hiroyuki Daimon

深草のマルシェで新米を販売しました

 9月24日のオープンキャンパス(深草)に合わせてコラボ商品販売イベント「RUマルシェ」が開催され、守山市にあるファーマーズマーケット「おうみんち」を拠点に農業体験をしている学生グループが、新米を販売しました。農業体験でお世話になってるJAおうみ冨士と開発営農組合と協議しながら店舗のデザインや販売方法を決定し、準備を進めました。
 販売した新米は、みずかがみ、秋の詩、コシヒカリ、キヌヒカリで、お客さんに1合枡で「新米すくい」をしてもらいました。お客さんの入りはまずますで、ときには行列もできました。4品種のなかで最も多く売れたのは、みずかがみでしたが、京都や大阪ではあまり知られていないことがわかりました。品種の説明を聞いて、試し買いしてくれる人が多かったといえます。
 学生たちは、日ごろお世話になっている地域のお米を少しでも知ってもらおうと、熱のこもった販売活動をしていました。
 販売活動は初めてとあって苦労もありましたが、とても楽しく有意義な体験となりました。(淡路)


店舗の設営:当日の朝に刈り取った稲をはさかけしました。

「新米すくい」の売り方は好評でした。
滋賀県のお米のPRに貢献しました。