現代科学研修の実施

8月8日に、滋賀県下の高校教員を対象とした「現代科学研修」を、植物生命科学科の浅水先生と古本が実施しました。現役の高校教員を対象に、大学での最先端科学の様子を講義と実習を交えながら伝えるという活動です。
 実習を交えつつ最先端科学に触れるということで、牧圃場のダイズの根圏を用いて「根粒菌の観察」(浅水)、地上部を用いて「葉の内部組織の観察」(古本)を行いました。
 熱心に講義と実習に参加していただきました。(古本)



平成29年度ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~KAKENHI 「気体の植物ホルモンエチレンを測る―植物バイテクへの招待―」を実施しました


 この事業は、日本学術振興会の「科学研究費による研究成果の社会還元・普及事業」の一環として、毎年多くの大学で同会の委託事業として行われているものです。残念ながら龍谷大学では過去数年間開催されていませんでした。今回、農学部教員が上記のタイトルで企画し、研究部の支援により、823日に実施しました。

 参加者は、滋賀県・京都府・奈良県の高校生14人と一般(専門学校生)1名でした。実施者側は、農学部教員2名と資源生物科学科の3年生5名、研究補助員1名でした。資源生物科学科の3年生は、3年生前期の資源生物科学実習でエチレン測定を体験しています。

 午前930分に農学部(9号館)に集合し、午前中に開校式と講義を行い、昼食・休憩をとり、その後農学部内の施設見学をしました。午後はバナナ果実を材料にして、生成したエチレンの捕集法とガスクロマトグラフを用いた濃度測定の実習を行いました。また、たまたま温室内で成熟していたパッションフルーツのエチレン生成を測定しましたが、その生成量がバナナ果実の20倍ほどあることに、参加者・実施者ともに驚愕しました。実習を終えた後、全体のまとめと質疑応答を行いました。最後に修了式を行い、修了証書(未来博士号)を授与して、午後430分に終了しました。
エチレンについての講義風景

農学部内の実験室見学

エチレン捕集実験の解説

ガスクロマトグラフによるエチレン測定

修了式後の記念写真
photo & text: Shigeru Satoh & Sumitra Wendakoon

ぶどうの収穫体験とぶどう祭りへの参加

9月2日、東近江市愛東で、ぶどうの収穫と出荷の作業体験をしました。今回体験させて頂いたのは加工業者に出荷するぶどうです。色づきが良くなく糖度が十分でないものは、青果として市場に出すことができないので、飲料などの原料として販売されます。今年は長雨の影響で、加工に回されるぶどうが多くなっています。販売価格は、青果市場に出すものと比べると格段に低くなります。
収穫したぶどうは、割れた粒や腐った粒を取り除いて箱詰めしました。安くしか売れないのに手間がかかる現実を目の当たりにしました。
翌日は、ぶどう祭りにサポート・スタッフとして参加しました。学生たちは、3種類のぶどうの粒をパック詰めして販売したり、ぶどうすくい等の競技プログラムのアシスタントを務めました。また、自分たちでつくった紫蘇ジュースと梅ジュースも販売しました。天候に恵まれ多くの人が来場し、用意したぶどうの粒パックもジュースも短時間で完売しました。
今年は、メロン祭り、なし祭り、ぶどう祭りに参加し、「イベントには龍谷大学の学生さんが来てくれる」と地元で頼りにされる存在になりつつあります。(淡路)

加工に回すぶどうを収穫
割れた粒などを取り除く
ぶどうの粒パックを販売(長い行列ができました)
粒パックに入れたぶどうの品種の人気投票








Rose Farm KEIJI見学会


828日、守山市内でバラの育種・栽培を行っているRose Farm KEIJIへの見学会(REC主催)に、農学部教員9名とREC職員2名が参加してきました。当バラ園の運営会社Rose Universeが守山駅近くに構えるWABARA caféに集合し、代表の國枝健一さんから栽培と国内外の販売流通を基本とした、多岐にわたる事業についてお話を伺いました。健一さんの父親で、バラ農家・育種家の啓司さんが開発された「和ばら(WABARA)」で彩られた店内で、花びらやローズウォーター入りの美味しい飲み物をいただいた後、琵琶湖畔のもりやま芦刈園(アジサイ園)に隣接したバラ園へ車で移動。広大な敷地内では、切り花加工やローズウォーター製造を行うテント仕様のおしゃれな作業場、微生物間のバランスを重視した土作り・ろ過した水田用水の使用といった、環境との調和を目指した栽培を実践する温室、食用バラの圃場などに案内していただきました。温室では、園主の啓司さんが栽培方法や和ばらの香りの種類についてご説明くださいました。今回の見学会のように、和ばら体験イベントを通した交流も大切にしておられます。本学部との連携を希望されているとのことで、科学的見地から栽培方法について質問やアドバイスをする教員もいました。ダマスク、柑橘類、紅茶!など、様々な香気に包まれ、残暑も忘れるほどでした。「食と農の循環」の一つのあり方をしっかりと見せていただきました。



text: Ikuko Sasaki, Michitoshi Yamaguchi, & Shigeru Satoh
photo: Ikuko Sasaki

第9回葉酸たまご甲子園で「優勝」しました!!!

829日に行われた「第9回葉酸たまご甲子園」に参加し、強豪校がひしめく中、龍谷大学農学部食品栄養学科の学生3名で結成した「ちーむ・どらごん」が、初出場ながら優勝しました!

ビタミンの一種である葉酸は、大人はもちろん、子どもの元気な発達のために重要なビタミンです。特に、妊娠初期に十分量の葉酸を摂取することで、赤ちゃんが二分脊椎症にかかるリスクを下げることが知られています。
「ちーむ・どらごん」は、そんな葉酸をおいしくとれる、栄養満点の「葉酸たまごのじゅんじゅん定食」を考えました。メニューの中心となる「じゅんじゅん」は滋賀の言葉ですき焼きを指します。ハナビラタケというフリルのような形としゃくしゃくした食感が特徴のキノコや丁子麩、赤コンニャク、アドベリーなどの特産品をふんだんにとりこみ、滋賀の食材と葉酸がぎょうさん(たくさん)詰まった定食が完成しました。

「葉酸たまごのじゅんじゅん定食」
・たたきおくらの麦ごはん
・葉酸たまごのじゅんじゅん
・丁子麩のからし合え
・葉酸たまごの冷製あんかけ茶わん蒸し
・葉酸たまごとほうれん草の炒め和え

・アドベリーの甘酸っぱクレープ



審査員の先生方からも、栄養満点で豪華ながら、家庭でも手軽に作れる点が好評でした。
学生たちは、この日に向けて何度も試作・練習を繰り返していたので、優勝の喜びもひとしおです。また、出場した3名だけでなく、何人もの学生が協力し、当日もドキドキしながら3人の調理姿を見守ってくれました。
来年度以降も、優勝目指して頑張るチームが出てくるでしょう!



出場学生の優勝コメントをお届けします!

松下実代さん(3年)
今回、初めての大会出場ということもあり、不安なことも多かったですが、仲間をはじめ、先生方やたくさんの人の支えがあったから優勝することができたのだと感じています。本当にうれしく、感謝の気持ちでいっぱいです。
また、今大会に参加するにあたって勉強したことや、授業での学びを実践的に身に着けることができたことも大きな収穫でした。
今回の経験や感じたことを忘れずに、これからも全力で頑張りたいです!

加藤千紗子さん(2年)
献立作成や試作、そして本番、それぞれの場面で多くのことを学ぶことができました。今回の結果は、先生方をはじめ、多くの方のご協力のおかげです。このような貴重な経験をさせていただき、本当にありがとうございました。
この経験は、今後、必ず活かしていきたいと思います。

林田日菜子さん(2年)
葉酸たまご甲子園出場を通して、大変多くのことを学びました。また、他大学の学生との交流を通して様々な刺激を受け、素晴らしい経験となりました。今後、葉酸の重要性の発信・発展に貢献しようと思います。ありがとうございました。

「葉酸と母子の健康を考える会」 http://yo-san.jp/index.html