世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」を視察しました

2016年12月19日、「琵琶湖と共生する滋賀の農林水産業推進協議会」設立準備会有志の方々と、2015年に世界農業遺産に認定された「みなべ・田辺の梅システム」(和歌山県)を視察しました。

「みなべ・田辺の梅システム」は、養分に乏しく礫質で崩れやすい斜面を利用して薪炭林を残しつつ梅林を配置し、400年にわたり高品質な梅を持続的に生産してきた農業システムです。薪炭林を残すことで、水源涵養や 崩落防止等の機能を持たせ、薪炭林に住むニホンミツバチを利用した梅の受粉、長い梅栽培の中で培われた遺伝子資源、薪炭林のウバメガシを活用した製炭な ど、地域の資源を有効に活用しています(みなべ町HPより)。

「琵琶湖と共生する滋賀の農林水産業」の世界農業遺産への認定をめざす取り組みの中で、先行事例を実際に確認できた有意義な視察となりました。(竹歳)




食の循環実習「新米を味わう」

食の循環実習は9月の稲刈りからスタートしましたが、今日は収穫したお米「日本晴」を調理する日でした。

衛生的に身支度を整えて、調理実習室と食品加工実習室に入室。

ガラス鍋にお米を計量し、ガスコンロで火加減を見ながら炊飯。炊きたてのごはんでオニギリを作りました。

もう一つの鍋では、農場で収穫した大根や人参を刻んで味噌汁づくり。出汁は、煮干しできっちりとります。

さらに残った大根や人参を薄く切って、昆布とトウガラシ、塩を加えて浅漬けも作りました。

他の学科の友達もできて、美味しく楽しく頂きました。


チームごはん(食品栄養学科教員)



野菜の育種に関する講演会を開きました

1221日(水)に、2年生向け基礎演習Ⅰの一環としてタキイ園芸専門学校前校長の福嶋雅明先生を招聘して、「世界の種苗業界の現状と野菜のF1育種について」と題した講演会を開きました。受講者たちは、近い将来、多国籍大企業が世界の種苗業界を寡占する恐れがあるというお話しにまず驚き、野菜の消費低迷や農業の後継者不足が種苗売り上げを圧迫している現状を憂いました。次にタキイが世界の先鞭をつけたF1育種技術の懇切な解説を受け、最後にバイオテクノロジーの利点と課題を伺いました。短時間で受講者たちに強い感銘を与えたようで、様々な感想が聞かれました。
 

目黒区美術館「色の博物誌」展に協力しました

2016年10月22日から12月28日、目黒区美術館で「色の博物誌−江戸の色材を視る・読む」展が開催されました。この展覧会では、江戸時代に浮世絵の彩色に使われた色材が紹介されましたが、そのひとつとして「青花紙」が取り上げられました。

青花紙は、滋賀県草津市とその周辺で染料植物のアオバナから生産されてきた特産品です。その研究をしてきたご縁から、この展覧会に資料や写真の提供、図録の執筆などで協力させていただきました。

これまでは友禅染や絞染など、染織文化との関係で記録されることの多かった青花紙ですが、この展覧会では、浮世絵という日本を代表する美術作品の製作に、重要な位置を占めていたことが浮きぼりになりました。(落合)







カメムシ調査報告会を開催

 2016年12月13日(火)に瀬田キャンパス9号館3階小会議室で、カメムシ調査報告会を開催しました。春に大津市農林水産課を通じて、近江舞子の水稲農家から斑点米被害について相談がありました。そこで、近江舞子に調査圃場を設定し、斑点米を引き起こすカメムシ類の調査を開始しました。まだ予備調査段階ではありますが、カメムシの種類、発生消長、イネ科雑草との関連などが分かりましたので報告会を実施しました。水稲農家、JA、大津市農林水産課、滋賀県病害虫防除所、大津・南部農産普及課などから18名の参加がありました。
 農業者を代表し水稲農家西村氏の挨拶に始まり、大津・南部農産普及課普及指導担当西田氏より、滋賀県および大津市の米検査等級、カメムシ防除の現状と問題点について報告が行われました。続いて、樋口が近江舞子での調査結果を報告するとともに、斑点米を引き起こしているホソハリカメムシの基本的な生態について解説しました。最後に、来年度の試験設計を中心に意見交換をして終了しましたが、今後の活動に向けて有益な会となりました。 

食の循環実習で作ったラッカセイをお菓子にしてもらいました

「食の循環実習」で農学部2年生が4月に播種して,1年生が10月に収穫したラッカセイ極大粒の品種「おおまさり」を使って,「ピーナッツトッピングクッキー」と「丸ごとキャンディーコートピーナッツ」を,食品メーカーさんが試作してくれました.龍谷大学農学部のカリキュラムの一つである「食の循環実習」のコンセプトについて,食品メーカーさんの研究所の方にお話しさせて頂いたところ,ラッカセイについて学んだ実習の成果の一つを「見える化」したらどうですか,とのご助言を頂き,今回の試作をご提案下さいました.水田地帯で水稲以外の作物を生産することは,耐湿性の脆弱な畑作物では難しく,マメ科のラッカセイ栽培でも工夫が必要です.今回の「食の循環実習」ではそれにチャレンジしてもらいました.この国の食料自給率はカロリーベースで39%と低く,その向上のためには,水田転換畑での作物生産や飼料生産を進めることが一つの方策です.そんなことを思いながら,お送り頂いたお菓子を試食させてもらいましたが,おおまさりの柔らかさと甘味がとてもよく出ており,そして,何よりもその粒の大きさが活かされているところは,プロの業に脱帽でした.また,素材の味を楽しむために「から付きの素焼きピーナッツ」もお送り頂きましたが,これもまたボリューム感ひときわで美味しく頂きました.来年はさらに収量と品質の向上の工夫を実習の中でみんなで考えられればと思います.そんな話題に興味があれば,いっしょにラッカセイ談義ををしましょう.最後にご協力頂いた食品メーカーさんには心より御礼申しあげます.どうもありがとうございました.


龍谷大学 食と農の総合研究所セミナー開催の案内(12月13日)



食と農の総合研究 岡田班では、下記の通り、シンポジウムを予定しています。
東北大学大学院農学研究科の宮尾光恵(徳富光恵)先生に講演頂きます。
文責の古本は学生時代に宮尾先生との共同研究に参加していました。実験の相談にのっていただき、何度元気づけられたかわかりません。
今回はどのような刺激をいただけるのか、とても楽しみな講演です。  (文責 古本)


龍谷大学 食と農の総合研究所セミナー<来聴歓迎>

イネの炭素代謝と窒素代謝の相互作用
遺伝子組換えによるイネの代謝改変の取り組みから学んだこと
 宮尾光恵(徳富光恵)教授
 東北大学大学院 農学研究科 植物細胞生化学分野

日時:平成28年12月13日(火)15:00~17:00
場所:龍谷大学 農学部 9号館2F大会議室 

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これまでに、イネ光合成能と生産性向上を目指し、さまざまな取り組みを行ってきた。その過程で、炭素代謝と窒素代謝は相互に作用を及ぼし合うトレードオフの関係にあることがわかってきた。炭素代謝と窒素代謝の相互作用に関するこれまでの経験を紹介するとともに、トレードオフの人為的回避を目指す最近の取り組みを紹介する。
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連絡先:岡田清孝 kiyo@agr.ryukoku.ac.jp 
  



ふるまい餅2017

12月7日(水)のお昼休み、雲ひとつない晴天のもと、瀬田キャンパスの青志館食堂前にて、餅つきを行い、ぜんざい150食、みたらし餅ときな粉餅のセット350食を振る舞いました。



臼と杵の取り扱い、手返しなどは、農場のある牧地区の方々13名にお越しいただいてご指導いただきました。2升入る立派な臼もお借りしました。

龍谷大学生協には、ぜんざいやみたらしのたれなど、美味しく食べられるように工夫して頂きました。

植物生命学科、資源生物学科のスタッフを中心に見てくださっている農場からは、滋賀二重糯16升を頂きました。

食料農業システム学科、食品栄養学科のスタッフには、洗米や蒸し、お客さんへの配布、会場設営と徹営に大活躍頂きました。

農学部教務課、また放送局の方々には、会場設営を中心に大変お世話になりました。

これらのすべてのプロセスに学生有志が加わり、地域の方々との交流を楽しみつつ、大盛況の中、すべての餅を配布しました。





また、餅の他にも、生物資源学科の学生メンバーYou, Challengerを中心に、サツマイモを収穫し、食品栄養学科でふかし芋にして、試食、販売を行いました。


学科、地域を越えて色々な方々が関わるイベントとなりました。当日は、まれに見る晴天でした。これは、阿弥陀仏のおかげですね。みなさま、お疲れ様でした、ありがとうございました。




いしはら

龍谷講座を担当しました

2016年12月3日龍谷大学深草学舎で、第3回龍谷講座「農業と食文化−ラオスのおいしい家庭料理」を担当しました。東南アジア大陸部の国ラオスの人びとの食は、多様な食材に彩られています。この多様性を手がかりに、農業と食文化のつながりについてお話をしました。熱心に聴講してくださった方々から、たくさんの質問が寄せられました。(落合)



食と農の総合研究で食味試験を実施(11月17日)



以前シンポジウムにお呼びした北海道農試の佐藤先生から、今年の自慢の北海道米が送られてきました。牧圃場で収穫したコメとどちらがおいしいか、食味試験をしてみることにしました。猪谷先生の経験にしたがい、6種類のコメの試食をしました。

猪谷先生の指導を受けつつ、水分含量の測定から洗米など、朝から関係教員があつまって準備をしました。

昼休みに集まった、学生と教職員によって、「香り」「つや」「粘り」などが評価されます。

それぞれのコメの違いはなんとなく感じるものの、それぞれの項目に評価するのは難しい。たきたてのご飯は正直どれもおいしく、判断は難しかったです。本格的な試験では、こうした検査に慣れた(再現性が高い)プロが評価するそうです。




柿を吊りました

2016年12月6日食料農業システム学科有志が、9号館施設先月って柿の皮をむいて吊るし柿を作りました。昼休みを中心に、講義の合間を縫って3日がかりの作業でした。






教務課の方々には、柿を吊るすためのラックの組み立てや干す場所の手配などでお世話になり、また通りがかった先生方からも、いろいろなアドバイスをいただきました。





牧地区の「在地の知恵」を引き継ぎつつ、この柿が農学部の交流にも一役買ってくれれば嬉しいですね。





約1ヶ月後、無事完成のご報告ができることを祈りつつ…(山口)